旅の283日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は降下ポッドの最終チェックを、選定メンバー全員で行った。
手順そのものは昨日までと大きく変わらないのに、確認するたび、細部への集中が自然と深くなる。
小さな誤差が後の判断を左右することを、ゼオフォスで痛感したからだろう。
セリナの最新観測では、依然として変化が見られない。
静かさはそのまま、気象も大気も均質なまま。
自然の星である以上、どこかに“揺らぎ”があるはずなのに、それが見当たらないという事実だけが心に残る。
ミラは地表採取用のサンプルケースを丁寧に拭き上げていた。
無言のままだったが、準備に向けた集中が伝わってきた。
ゼインは通信機器の最終調整を続けていて、動作ログには一つの乱れもなかった。
アビスについては特筆すべき変化はないとの報告を受けた。
医療区画で静かに過ごしているようだ。
今は調査と関係のない場所に置いておくのが最も安全だと思う。
夕食は軽めのハーブ粥。
緊張を意識しないようにしていたが、体の反応は正直らしい。
明日、具体的な降下タイミングが提示される予定だ。
その瞬間を淡々と受け入れられるよう、今夜は心を静かに整えたい。



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