旅の285日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は降下に向けた最終リハーサルを実施した。
実際の手順とほぼ同じ流れで進めたが、やはり本番を想定すると、確認の一つひとつに自然と時間をかけてしまう。
焦りはない。ただ、判断を急がないことを全員が強く意識している。
降下ポッド内での待機時間を想定し、生命維持装置の挙動を細かくチェックした。
数値はすべて安定しており、想定外の変動も見られない。
セリナの環境と同じく、あまりに整いすぎている印象が残る。
セリナの観測データにも新たな変化はなかった。
微細な揺らぎも検出されず、この星は今日も同じ表情を保っている。
安心材料であるはずなのに、なぜか気持ちは引き締まったままだ。
アビスは医療区画で静かに過ごしていたとのこと。
体調は安定しており、特別な対応は必要ないようだ。
今はそれ以上を求める段階ではない。
夕食は軽めの合成穀物パンとスープ。
無理に食べる必要はないと分かっているが、少しでも体を整えておきたい。
いよいよ、降下は目前だ。
準備は整っている。
あとは、静かにその時を迎えるだけだ。



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