旅の286日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は、降下前日の最終待機日となった。
大きな作業は入れず、各自が担当領域の状態を静かに確認する一日だった。
環境維持ユニットの数値は安定しており、船内の空気もどこか落ち着いている。
セリナの観測データにも変化はない。
静かで、均質で、相変わらず揺らぎが少ない。
この星が何も語らないこと自体が、今の僕たちにとっては重要な情報なのだと思う。
降下ポッドの前で少し立ち止まり、外殻に手を触れた。
冷たい感触が、現実をはっきりと伝えてくる。
明日、ここから地表へ向かう。
アビスは医療区画で休息を取っているとの報告を受けた。
特に問題はなく、落ち着いているようだ。
今はそれ以上を考えない。
夕食はケイトの用意した温かいスープ。
量は少なめだが、十分だった。
明日、セリナに降りる。
慎重に、淡々と、記録を残すために。



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