旅の291日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は採取した地質サンプルの詳細解析に時間を使った。
粒径分布、含有元素、結晶構造――
どの項目も予測値から大きく外れるものはなく、数値だけを見れば極めて安定した環境だと言える。
ただ、層ごとの差異がほとんど見られない点が、やはり頭に残る。
自然環境であれば、時間の積み重ねが必ず“歪み”として残るはずだ。
セリナでは、その痕跡が見当たらない。
異常ではないが、説明もしきれない。
この曖昧さを、そのまま記録しておく。
通信状態は良好で、船からの追加指示はなかった。
現地判断を尊重してもらえているのは助かる。
簡易拠点内で携行食をとった。
味は相変わらずだが、体調は安定している。
明日は観測地点をさらに一つ増やす予定だ。
結論を急がず、この星が示さないものも含めて丁寧に見ていきたい。



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