旅の296日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日はセリナ調査の評価を一度まとめる日に充てた。
環境条件、彗星接近周期、生態系への影響、短期的な安全性と長期的な持続性。
それぞれを切り分けて整理すると、この星の性質がようやく一つの像を結んできた。
セリナは「今を生きる場所」としては成立する。
だが、「永く引き継ぐ場所」ではない。
どちらか一方だけを見れば判断を誤る。
この二面性こそがこの星の本質だと思う。
評価結果はそのまま船へ送信した。
結論を押しつける形にはせず判断に必要な材料だけを淡々と並べた。
選ぶのは僕たち全体だ。
携行食で簡単に食事を済ませた。味は覚えていない。
今日は数字と時間のことばかり考えていた。
セリナは答えをくれた。
ただしそれは「是か非か」ではなく「どこまでを未来と呼ぶのか」という問いだった。



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