宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 311日目

旅の311日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

地下水サンプルの追加解析を行い、昨日の数値を別系統の手法で再確認した。
結果は大きく変わらず、反応は依然として微弱なままだ。
誤検出と断定するには一貫性があり、生命と断定するには情報が足りない。その中間に位置する状態だと考えている。

現時点では、地下水層への直接的な介入は控える方針になった。
水は生活基盤として重要だが、同時にこの星が長い時間をかけて保ってきた環境でもある。
必要以上に踏み込まないという判断は、慎重すぎるようでいて妥当だと思う。

船内では、地下に何かが存在する可能性そのものよりも、それをどう扱うかという話題が増えている。
答えを出すよりも、選択肢を狭めないことが重視されている。セリナでの生活は、常に「触れない判断」を含んで進んでいく。

地表の作業は通常どおり続いている。
居住ブロック設置に向けた準備も滞りなく進み、生活環境は少しずつ形になってきた。その一方で、地下にあるものは、相変わらず見えないままだ。

夕食は温かい簡易食だった。水を口に含んだとき、昨日までとは違う意識で味を確かめている自分に気づいた。

この星は、すべてを差し出してくるわけではない。ただ、完全に閉ざしているわけでもない。その距離感を保ったまま、進むことが今は一番重要なのだと思う。

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