旅の316日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日の環境検討では、将来的な大気調整の可能性について簡単な整理が行われた。
今すぐ何かを変える計画ではない。
ただ、条件を積み重ねていけば、この星にも変化が起こり得るという前提を共有しただけだ。
セリナの大気は相変わらず静かで、防護服越しに感じる空気も変わらない。
それでも数値を眺めながら、ふと一つの言葉が頭に浮かんだ。
『雨』ここではまだ現実味のない現象だが、完全に否定されるものでもない。
雨を降らせるつもりはない。
ただ、いつか自然に起きる可能性を消さない。
そのために、今は余計な手を入れない。そんな考え方が、この星には合っている気がする。
夕食は簡単な温かい食事だった。
船内の循環音を聞きながら、地球で当たり前だった風景を思い出す。
セリナに雨が降る日が来るかどうかは分からない。だが、そう書ける未来を残すこと自体が、今の僕たちにできる選択なのだと思う。



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