旅の326日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日はケイトと少し話をした。
食料管理の確認に立ち寄っただけだったが、自然と会話が続いた。
彼女は補給計画と消費量のバランスを淡々と整理していて、数字の裏にある生活の輪郭をきちんと見ている。
地下水の利用が始まったことで、調理や保存の選択肢が少し広がる。
その一方で、無理に変えないことも大切だとケイトは言った。
味を良くするより、続けられることを優先する。その姿勢は、この星で暮らす前提に合っている。
将来のことに話が及ぶと、彼女は具体的な希望を語らなかった。
ただ、誰かが残り、誰かが進むとしても、食事は同じ時間に用意されるべきだと静かに言った。
その言葉は、計画というより信念に近い。
会話は短く、結論も出ていない。それでも、生活を支える視点がここにあると感じられた。
夕食は彼女が調整した簡素なメニューだった。味は控えめだが、身体にはちょうどいい。
セリナでの暮らしは派手な決断よりも、こうした小さな判断の積み重ねで成り立っている。
そのことを、ケイトとの会話が改めて思い出させてくれた。



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