宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 334日目

旅の334日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日は居住ブロックの独立運用試験が、これまでで最も長い時間行われた。
船本体との接続を一部遮断し、仮想的に切り離された状態で空調と水循環を維持する。
数時間の試験では大きな問題は見つからなかった。
数値は安定している。ただ、完全に分離する瞬間の重みはまだ想像の中にある。

外では接続部の最終確認が進んでいる。
メカ・ヒューマンズが中心となって、地表側の固定構造を調整していた。
地面に据え付けられた支持フレームが、仮設のものから恒久的な形へ移行しつつある。船の一部が星に根を下ろすという光景が、少しずつ現実味を帯びてきた。

地下水の採取量は引き続き安定している。
今日は植物区画への供給量をわずかに増やし、反応を観察した。
急な変化はないが、維持できていること自体が重要だ。この星での生活は増やすことより、続けることが先に来る。

地球からの通信はまだない。
待つことにも慣れてきた。こちらの一日が向こうの過去として届き、その返答が未来から戻ってくる。
その時間の重なりを意識しながら作業を続けている。

夕食は穏やかな味の温食だった。今日は少しだけ、空腹を感じて食べられた。

切り離しの準備が進むにつれ、この場所に残るものと、やがて旅に出るものとの境界が少しずつ見えてきている。
まだ決断の段階ではないが、その日が近づいているのは確かだ。

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ガドグのアバター ガドグ サブスク見直しライター

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