旅の342日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
独立した居住ブロックでの生活も三日目に入った。各系統は安定している。
空調、給水、通信のログを確認したが、数値に大きな変動はない。
船本体との距離はわずかだが、ここで完結する生活の輪郭が少しずつ見えてきている。
今日は地表側の点検にも参加した。
固定フレーム周辺の地面に微細な沈下がないかを確認する。
セリナの地表は相変わらず静かで、測定値も安定している。
この星の揺らぎの少なさは、拠点としては利点だが、自然環境として考えるとやはり特異だ。
地下水の供給量は維持設定のまま。植物区画の状態にも変化はない。
急な成長は見られないが、枯れもない。
この均衡が続くかどうかを、もう少し時間をかけて見極める必要がある。
地球からの通信は今日も届かなかった。
こちらの報告はすでに送っている。返答が戻る頃には、この拠点での生活はさらに進んでいるだろう。
時間差の中で判断を積み重ねる感覚にも、慣れてきた。
夕食は簡単な温食だった。体調は安定している。
居住ブロックが地上に残ったことで、セリナでの時間は確かな重みを持ち始めた。
ここは終着点ではないが、次へ進むための足場として、十分に機能し始めている。



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