旅の352日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は少しだけ作業の合間に休憩を取った。
拠点の外壁に設置した観測台に腰掛け、しばらくセリナの地平線を眺めていた。
風はほとんどなく、遠くまで同じ色の地面が続いている。
静かな景色だが、不思議と退屈ではない。
そのあと植物区画を見に行くと、ミラが新芽の記録を取っていた。
特別な変化があったわけではないらしいが、彼女は「ここまで維持できているのは悪くない」と静かに喜んでいた。
その言葉を聞いて、僕も少し嬉しくなった。
拠点の中ではケイトが簡単な甘い保存食を作っていた。
配給用の素材を少し工夫しただけらしいが、思っていたよりずっと美味しかった。
作業の合間に皆で少しずつ食べたのだが、こういう小さな楽しみは意外と大きい。
セリナは相変わらず静かな星だ。
それでも、こうして笑い声が少しだけ聞こえると、ここがただの観測地点ではなく、ちゃんと人が暮らしている場所なのだと感じる。
今日はそのことが、少しだけ嬉しかった。



コメント